世界で初めてのヘモグロビン・サーモダイナミックス (1)

胎児のへモグロビン

胎児はお母ちゃんのお腹の中で上手に酸素分子の供給を受けています。

胎児は胎児のへモグロビンを持っています。
胎児のヘモグラビンのことをヘモグロビンF{以下、(3)デオキシヘモグロビンFと言う。また、(3)デオキシヘモグロビンFに酸素分子が配位結合したものを(1)オキシヘモグロビンFと言う。}と呼んでいます。

お母ちゃんの持っているヘモグロビンのことをヘモグロビンA{以下、(4)デオキシヘモグロビンAと言う。また、(4)デオキシヘモグロビンAに酸素分子が配位結合したものを(2)オキシヘモグロビンAと言う。}と呼んでいます。


お母ちゃんの胎盤の中で(3)デオキシヘモグろビンFが
(1)オキシヘモグロビンFとなる際のエネルギーの低下は、

(2)オキシヘモグロビンAが(4)デオキシヘモグロビンAとなる際のエネルギーの上昇を凌駕します。
総じてエネルギーが低い安定な状態になります。

普通の生理条件下で(3)デオキシヘモグロビンFの方が、
(4)デオキシヘモグラビンAよりも酸素分子との親和力が大きいから、
お母ちゃんから胎児に酸素分子が上手に供給されます。

その他、プロトン二酸化炭素の授受等を含めて、
エネルギ―の高い不安定な状態からエネルギーの低い安定な状態になっています。


第六番目の配位子として酸素分子が第一鉄イオンに配位すると、
酸素分子は電子吸引基となります。

結果として(1)オキシヘモグロビンFは(3)デオキシヘモグロビンFよりも強い酸になり、
(2)オキシヘモグロビンAは(4)デオキシヘモグロビンAよりも強い酸になります。

そして、いずれも弱酸ではあるけれど、酸としての強さは強い順に次の様です。

(1)オキシヘモグロビンF、

(2)オキシヘモグロビンA、

(3)デオキシヘモグロビンF、

(4)デオキシヘモグロビンA、

この酸の強さの順番と血液のペーハー値の変動とが相俟って、
酸素分子は上手に胎児に届けられます。