世界初のインドアニリン色素形成反応速度論(1)

世界初のインドアニリン色素形成反応速度論(1)

酸と塩基

Klopman(とSalem)の式中第二項がクーロン項で第三項が電子移動相互作用項なのです。
強酸と強塩基との反応は第二項によって説明し解釈され、弱酸と弱塩基との反応は第三項により説明したり、予想したりすることができます。

弱酸と弱塩基とのCoupling反応

弱酸と弱塩基の反応の結果共有結合(シグマボンド)が形成されるとき、
その反応はCoupling反応の一種になります。

従ってCoupling反応は電子移動相互作用支配により説明されます。

静電的に(+)がLUMOとなり、静電的に(ー)がHOMOとなっていますが分子軌道の符号は(+)と(+)または(ー)と(ー)とになります。
この反応は通常対称許容となっています。
LUMOとHOMOとのエネルギー順位が近いこ及びそれらの反応点原子の分子軌道係数が大きいことが電子移動相互作用を大きなものとします。

⊿Etotal=ーqr・qs / Rrs +2(Cmrr・ Cnss・⊿β)² /(E*nrーE*ms)     
 (第二項クーロン項)  (第三項電子移動相互作用項)   (第一項は省略)

式中

E*nr はカプラーアニオンHOMOのエネルギー順位、
E*msはキノンジイミンLUMOのエネルギー順位、
Cmrrはカプラー活性点炭素上のHOMOの分子軌道係数、
Cnssはキノンジイミン反応点窒素上のLUMOの分子軌道係数、
⊿βはC-N結合生成に伴い生ずる安定化エネルギーであり共鳴積分の変化量相当です。